百歩の道も一歩から
な〜る#110(2004.5.17)掲載 佐渡裕 バンドクリニック
2004年4月29日
西宮市民会館 アミティホール
建設中の『兵庫県芸術文化センター』芸術監督・佐渡裕さんは、4月下旬、西宮市各所で音楽教室や交流会を重ね、同センターへの理解を深めた。
兵庫県吹奏楽連盟70周年記念事業として、西宮市民会館アミティホールで開催された「佐渡裕バンドクリニック〜ブラスバンドの魔法使いがやって来た〜」では、県内の中学・高校の選抜バンドが、それぞれ「アフリカンシンフォニー」と「エルザの大聖堂への行進」を課題曲として佐渡さんの指導を受けた。
 


最初に課題曲を一度通して演奏した後、佐渡さんがパートごとにポイントの奏法を指示したり、曲のイメージを語ると、ほんの数十分で、文字通り魔法にかかって息を吹き込まれたように曲が響く。
「音符を忠実に鳴らすだけでは音楽にならへん。何が表現されているのかを考えて」と、曲の作られた背景や作曲者の生きた時代のエピソードを聞かされた後の生徒たちが奏でる音には、大きなうねりが生まれていた。

指揮者クリニックのコーナーには、阪神間の中学・高校の顧問3人が挑戦。
「音楽的な指揮ですね。とってもいいですよ! でもお尻が出てるのがちょっと…」と会場の笑いを誘いながら、「ここに出て来るのは勇気がいるんですよね。日頃は生徒の前に立ってる先生なんですから。でも、子供たちのために勉強しようって気持ちで出て来られた意気込みが素晴らしいですよ」と佐渡さんに讃えられ、大きな拍手を受けていた。


翌30日は、県立西宮高校音楽科のオーケストラのクリニック(写真左下)もこなし、人を誉め伸ばしていく人柄で佐渡ファンを増殖した「こんにちは! 佐渡裕です」の全行程が終了した。
「僕が人前で演奏することの喜びを知ったのは、小学校の音楽の時間に縦笛を吹いて、先生や級友から誉められたことが最初」と語る佐渡さんのように、「君、うまいなぁ、すごいわ」とマエストロから誉められた子供の中から、未来の大音楽家が現れるかもしれない。

| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) |









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