吹奏楽部115名のうち3年生30名、卒部していきました。
前夜、台所で物音がするので起きてみると、涙目になってる裕明と目が合ってしまい..。
裕明の涙を見るのは本当に久しぶりで、なんだか悪いところを見たような気がして、よほど私も困った顔をしていたのか、本人あわてて「大丈夫やで、なんもないで」。
「初めて教えた子が卒部していくなあと思ったら、涙が出て来てしもたわ。明日はみんなの前で泣くわけにいかんから、今泣いてるねん」。その言葉を聞いて大爆笑。←なんでこういう時に、私は笑うのだろう。
そっかぁ、そうやねぇ。初めての教え子の卒業やねぇ。子供だ子供だと思ってたら、人を教える立場になってたんやねぇ。
自分の本番の時より熱心に「見てくれ見てくれ」と言ってましたが、かわいくてしかたないんでしょうね。
卒業記念にガードパートで寄せ書きしてくれた色紙を大事に持って帰って来ましたが、これも自分の時の寄せ書きはそこらに放ってあったのに、大事に飾ってます。
「それにしてもあんたの涙はホントに久しぶりに見たなぁ」
一番最後に裕明の涙を見たのは、何年も前に隆司と喧嘩して悔し泣きしてる時だったと思います。
「そうか? オレよう泣くで。毎年ファーストショウとファイナルのショウの時は泣いてた。初めての年なんか、泣きながら入場したよ」それを聞いて、また爆笑。←なんでなんで私は笑うのだろう。
見てくれと言っていただけあって、まだ歴史の浅い金光ガードではありますが、ちょっぴり難しいテクニックも取り入れながら、ダンスも美しく振り付けて、しっとりとしたいいショウになっていました。
04Nothern Lightsの曲を使ったのは裕明の好みでしょう。2曲目のBeauty&Harmonyとのつなぎの不自然さを思うと、どうしてもあの曲じゃないと..という必然にやや疑問は残りますが、むちゃくちゃな背伸びはさせず、うまく頑張らせていたんじゃないかなとは思います。
ドリルショウは、Scouts出身者が作ったのに、なぜかCavieになってしまっていて、面白かった。
でも、Ice Castlesを演奏せねば気がすまなかったのか、1部の最後に合奏してましたが、なんだか、作り手のやりたいことテンコ盛りみたいなステージだったなぁ。
丸谷・三崎組のこういう「押し出し方」は、彼らのやり方だから私たちが云々はできないけれど、子供たちがどれだけ咀嚼して演じてるのかなぁと、彼らのステージを観るたびに思ってしまいます。
もしかしたら、マーチで1年間やりたいことを十分にさせてもらえなかったせめてもの抵抗なのかなぁ。(^^;;
さて、今年も満場の来客で、ずっと立見で見て下さった方も多かったですが、何かと不手際も多く、特に開場直前になって、ゲートの位置がずれていることが問題になって、混乱なく入場できるかどうか肝を冷やしたのには閉口しました。幸い、うちは男子が多いからOBたちの中で大きな子がしっかりとガードして、団子状態になった入場者をなんとか捌き、その後、苦情も聞こえてはこなかったけれど、きっと不愉快な思いをされた人は多かったはず。
2年前から「座席券との引き換えをするべき」と言い続けて来たことも、今年も改善されないまま。
寒い中、開場の3時間も前から並んで下さった方も多く、不満一つ出ずに黙々と並んでいただいたことが申し訳なくて、高槻現代劇場の担当者に交渉して、風の通り道にテントを下ろしてもらって、少しでも寒くないようにと出来るだけのことをしましたが、きっとかなり冷えたはず。
後援会の受付には、新規・継続合わせて200人を超える申込があり、「感動しました。年々素晴らしくなるわね」と言って下さる方や、「自分の青春時代と重ね合わせてしまって、こうして頑張っている子供たちの姿を毎年楽しみにしてます」と言って下さる方など、どの方も、心から応援する気持ちで申込んで下さってる様子で、そんなお気持ちをもっと大切にしなくてはとスタッフは話し合ってはいるのですが..なかなか活かされれませんねぇ。
私は、高校の定演は、他校であろうが自校であろうが、その一生懸命さが大好きですが、なかでも「卒部式」で名前を読み上げられる子供たちの顔を見るのが好き。
金光の卒部式は、その年の3年生が選んだ曲を在校生が演奏する中で行われます。今年は「オレンジ」。隆司の時はFriends for Life、くみちゃんの時はCan You Feel the Love Tonight、裕明の時はWe are all aloneでした。隆司の時にはくみちゃんが、くみちゃんの時には裕明が、それぞれ演奏したわけです。
パートごとに名前を呼ばれて挨拶をし、会場中の拍手を浴びてステージを下り、中央の通路を花道にして退場する子たちの紅潮した顔・顔・・。
3年間、人一倍がんばった子も、それなりにがんばった子も、あんまりがんばれなかった子も、皆、この時は、イイ顔になっています。
この数年は、後援会会長の広川さんが、パート全員が呼ばれると「がんばれよ〜〜!」と声をかけるのが恒例になって、奥さんは「そばにいると恥ずかしいから」と、離れて見守ってますが、本当に「がんばってね」の気持ちで、手が痛くなるくらい拍手をして、送り出しました。
これからそれぞれの道を歩いていくなかで、高校3年間が、どの子にも輝きを持って思い出されるわけではないでしょうが、卒部式のあの瞬間は大切に持っていてほしいなと思います。