百歩の道も一歩から
な〜る#127(2005.2.28)掲載 レンガの壁の頂上を極める
芸文センターの外壁は、美しいレンガがびっしりと積まれていますが、その総数は50万本。
1本1本は、全て手作業で積み上げられました。
機械化が進む建設現場でも、レンガ積みだけは手作業しかなく、工事期間中、来る日も来る日も地上最高36mのこの建物の壁に張り付いて積む日々。
高さ7.5cmのレンガを積み上げること実に480段。




「山登りと同じです。積み始めは気が遠くなるほど高い壁も積み続ければ、必ず頂上に到達します。全て積み終えた時の達成感は、手作業してるからこそ味わえるんでしょうね」と語る高山登志彦さんは、父親の仕事場で小学校5年からレンガを手にしていた根っからのレンガ職人。
「生きた化石」とまで呼ばれるレンガ職人は、日本には120〜130人ほどしかいません。
年の9割は各地の現場に出張。山口県出身の高山さんも沖縄以外の都道府県を制覇したとか。
積まれたレンガを見れば、どこの誰が積んだ壁か、すぐにわかってしまうくらい、レンガ積みには個性と技術の差が出るので、「見られるのが怖いですよ」という言葉には、高い誇りを感じます。
しかも、基礎と補強さえ完全に出来ていれば、極めて耐震性の高い素材なので、長く生き残れる建造物になります。
そんな誇りの持てる仕事ですが、手間暇がかかるだけになかなか後継者が育たない世界でもあります。

芸文センターの工事現場に見学に行くと資材のレンガに名前を書かせてもらえたので、自分の名前を残して来た人も多いでしょう。
外からは見えない側ではありますが、あの壁のどこかに自分の名前の入ったレンガがあると思うと、ちょっぴり誇らしくなります。
「同じ苗字のレンガは、多分ご夫婦なんだろうなと思って、並べて積みました」
心優しい職人さんです。


芸術文化センター先行予約会員募集中
入会金・年会費一切無料
特 典
仝演情報のご案内▲船吋奪叛莵塒縮
◆詳細は、上記HPまたはお電話で。
芸術文化センター推進室 
先行予約会員入会係

芸術文化センター付属交響楽団(締切終了)
「ひょうごオーケストラ(仮称)」愛称募集
皆様に愛され、親しまれ、また、世界に発信するオーケストラとなるような、素敵な名前をつけてください。
官製はがき、またはファックス、Eメールのいずれかの方法で応募してください。
応募締切:2005年3月18日(金)当日消印有効
賞:最優秀賞    1点    賞金10万円
※同一作品で、複数の応募者がある場合は、抽選で入賞者一人を決定。
※中学生以下の方については、賞金相当の賞品を差し上げます。
◆詳細は、上記HPまたはお電話で。
 芸術文化センター推進室
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 00:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#125(2005.1.24 )掲載 快適空間を創り出す人たち
寒い日が続きますが、阪急・西宮北口駅南で建設中の「芸文センター」、急ピッチに進む工事現場の活気は、年明けからますます加熱してきました。

躯体工事が終盤になると、忙しくなるのが空調や電気工事の人たち。空調設備の岡本敏昭さん(写真左)と、電気設備の奥村孝文さん(同右)は、各5社ずつのJV(特別共同企業体)の管理技術者と現場代理人。
つまり、それぞれのJVの長で、「一番えらい人なんですね」と緊張していると、「いや、仕事がえらいですわ」。
お二人とも30年以上この道一筋。各地の現場を経験して来ましたが、この現場では、早2年。「こんなに長い期間、一つの現場にいる工事は初めて」の言葉に、この工事の規模の大きさを改めて感じます。
長期間になると、中国の鋼業台頭による経済情勢の変化のために、資材が値上がりしたりと、やりくりに苦労するとか。
空調のダクトは、大きな物になると1.8m×1.5m角もあるとか。直径50cmの丸型の配管は、延長12kmにもなるそうで、館内に巡る配管と配線の量も桁はずれ。大・中・小3つのホールは、いずれも床下に大きな空間(チャンバー)があり、チャンバーに冷暖の空気を送り込んでホール内に吹き上げさせる仕組み。
電気工事は、舞台照明、音響、火災報知器以外の全てを担当。空調などに密接につながる部門です。
どちらも、表面からは見えない部分の工事がほとんどですが、ホール完成後、館内で光や空気を感じたら、岡本さんや奥村さんの仕が生きているなと思い出してみます。
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 00:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#124(2005.1.3)掲載 新年のあいさつ

みなさん、どんなお正月をお過ごしでしょうか。明日から仕事という方も多いことでしょう。
昨年は、災害や事件の多い年でしたが、2005年こそよい年になるようにしたいですね。
今年は、震災十周年。あの日の朝、あなたはどこに誰といて、何をしていましたか? 
あの日生まれた赤ちゃんが、今年は小学校5年生です。人それぞれの10年がありました。
街の復興の進度が違うように、人によって、癒えた傷の深さも違うでしょう。
今年は、各地で記念イベントが行われます。本紙でも、毎月可能な限りの情報を集めていきたいと思っております。
震災後、見ず知らずの人たちが助け合った「こころ」をまた見つけられることを願って。

また、工事が急ピッチで進む「兵庫県立芸術文化センター」は5月に竣工し、いよいよ10月22日に開館します。
こちらも今年は目を離せない話題がいっぱい。な〜るならではの情報をお届けして参ります。

2千席の大ホール、8百席の中ホール、4百席の小ホールを備えた地下1階、地上6階の建物が、西宮北口駅南東に姿を見せています。
開館に合わせて誕生する付属交響楽団のオーディションも進んで、世界各地で二次審査が行われ、優秀な音楽家が集います。

去る11月に行われた記者会見では、井戸敏三兵庫県知事、佐渡裕芸術監督、山崎正和芸術顧問が、震災復興のシンボルとしての「芸術文化センター」への意気込みを語りました。
オープニング・コンサートは、佐渡監督指揮による『第九』。
文字通りの歓喜の歌が奏でられることでしょう。
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 00:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#122(2004.11.22)掲載 内装仕上げ開始
完成像が外観からもはっきりわかるようになってきた芸文センター。11月末からは、大ホールの内装の仕上げが始まります。

内装工事の職長・水島宏和さん(高島屋スペースクリエイツ(株)所属)は、大阪国際空港やUSJも手掛けて来ました。
現場には5月に着任し、大ホールの壁・天井・床部の内装を担当しています。
コンクリートの駆体に内装を施すためには、仕上げ材を取り付ける基礎を作ることから。
壁面積だけでも1,000m2ある下ごしらえに数カ月を費やしました。仕上がり予定は来年2月末から3月。延べ人数3,000人が従事する大掛かりな内装工事です。
水島さんが現場で特に気を配るのは、「横着をさせない」こと。
「横着は事故やケガにつながります。東洋一の大工と呼ばれる人もある優秀な集団ですが、慣れが災いして電動工具の面倒な使用手順を省略する人があったりするので」。
ヘルメットや名札の名前は、手書きでなく必ず活字で書いた物を作って手渡し、どこから見ても名前がわかるようにヘルメットの前後に名前をつけさせるという「きっちり」とした性格の水島さんですが、家で待つ小学生の子供の話になると、目尻が下がってしまう優しいお父さんです。


東隣のプレラ西宮と芸文センターを結ぶ連絡橋工事もスタートしました。


芸術文化センター事業
阪神・淡路大震災10周年記念「1・17は忘れない」 星夜のジルヴェスター・ガラ・コンサート
12月31日(金)22:00(1月1日午前0:30終演予定)
神戸国際会館こくさいホール
◆午前0時に向けてカウントダウン
演目:ラプソディ・イン・ブルー、ローマの松他
指揮:佐渡裕
特別ゲスト:ウィーン少年合唱団 
ゲスト:D・D・ジャクソン、原朋直他
A席¥6,500 B席¥5,000 C席¥4,000 D席¥2,000
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 23:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#120(2004.10.25)掲載 裏方の裏方さん
ホールで演じられる作品の演出効果を左右する音響設備の技術者・竹之下さんは、「家庭にステレオをつける仕事の大掛かりなものと思ってもらえれば」と話しますが、大ホールだけで100個以上のスピーカーが取り付けられるとあってはケタ違い。

演出から要求される音響効果は、ホールによっても違います。
オペラやミュージカルの上演がある大ホールでは、メリハリの効いた温かみのある音を、演劇スペースの中ホールでは動きのある音を、また、リサイタルなどの利用が多い小ホールは円形のため、指向性のある音を求められます。
それぞれの効果を最大に出し、作り手の「想い」を表現できるように機器を選び、取り付けるのが竹之下さんたちの仕事。
完成後の演目のあらゆる条件を想定して、外部機材の持ち込みなどにも対応出来るような装置も設置しますが、プランや設計は最新技術で進めれられても、取り付けは手作業でしかできません。

「スピーカーは生き物でね。取り付けてから1〜2カ月音を鳴らしっぱなしにして慣らしてやります。こうしないと、機嫌よく鳴ってくれないんですよ」と、わが子を愛おしむような様子。
手間と時間をかけて創り出す音響設備ですが、見ることのできるのは音響室などの裏方さんのみ。まさに裏方の裏方さんですね。
観客のみなさんは、感動に出会った時の「音」で、技術に触れることができます。

芸術文化センター事業
阪神・淡路大震災10周年記念「1・17は忘れない」
星夜のジルヴェスター・ガラ・コンサート
2004年12月31日(金)22:00(1月1日午前0:30終演予定)
神戸国際会館こくさいホール
◆午前0時に向けてカウントダウン
演目:ラプソディ・イン・ブルー、ローマの松他
指揮:佐渡裕
特別ゲスト:ウィーン少年合唱団
ゲスト:D・D・ジャクソン、原朋直他
A席¥6,500 B席¥5,000 C席¥4,000 D席¥2,000
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 00:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#118(2004.9.27)掲載 仕事は音になって残る
芸文センターのホールは、建築上の微妙な構成から生まれる複雑な反射音を計測するために、10分の1縮尺の模型を作って、その中で音響実験を行っています。
この模型を作っているのは、海老原信之さん(写真左)。数寄屋建築がお得意で、細かい細工の腕を買われて、16年前から音響模型制作をしています。
複雑なねじれのある曲面を木工で作るので、ホールの意匠図から寸法を割り出し、設計図を書くところから作業はスタート。「最近はCADの普及で、現場泣かせの構造も多くてね」と苦笑しながらも、限りなく実型に近い模型を作り出しています。
この現場に関わってから1年半。音響実験もいよいよ最終段階で、取材時は、窒素を封入して音の通りを妨げる水分を除去して実験をするためのシーリング工事の作業中。「建物の完成後には模型は残らないんですね?」と尋ねると、「音になって残りますから」と自信に満ちた笑顔が返って来ました。

こんなお客様も

アルメニア、カザフスタン等、中央アジア・コーカサス地域からの見学者。
耐震構造に熱心な質問が飛んでいました。

開館に向けてのソフト先行事業
ひょうご舞台芸術 第30回公演 「やとわれ仕事」
リストラされて失業中の青年としっかり者のその妻、そして独り暮らしの老夫人の3人が繰り広げる、こころ温まる物語。
出演:野村宏伸・宮地雅子・長谷川稀世
2004年10月6日…19:00、10月7日・ 8日… 14:00、10月9日…13:00・17:30、10月10日…14:00
新神戸オリエンタル劇場 S席    4,500円 A席    3,000円
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 08:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#116(2004.8.30)掲載 暑さが大切な仕事
工事も着々と進んで、8月からは、現場事務所が大ホールの地下部分に移転。「バリバリ」と工具の音が響く中で、型枠工事を担当する井上英範さんのお話を聞きました。
長崎県島原の農家の長男として育った井上さんですが、農業高校を中退し、木造大工の仕事に就いたのは、16歳の時。2年半の丁稚奉公の後、RC(鉄筋コンクリート)の造作を覚え、以来、型枠工として中高層建築の現場で働き続けています。
型枠工の仕事は、鉄筋が組まれた後、コンクリートを流し込む前の「型」を作り、流し込まれたコンクリートが固まって、型を支える「志保工」をはずすまでが一連の業務。コンクリートは、外気温が高く固まる速度が遅いほど圧縮強度が高まります。規定の圧縮強度を出るまでは志保工をはずせないので、冬季の現場ではヒーターを回して温度調節することもあるとか。 芸術文化センターの現場には、昨年5月から入り本年10月までの予定で、完成までいることはありませんが、やはり、仕事の喜びは「手掛けた建物が出来上がった時」。
「しんどいけれど、施主さんの喜ぶ顔が見られる時が嬉しい」と語り、「出来上がったら、ここで行われるコンサートに来てみたいね」と微笑んでくれました。

開館に向けてのソフト先行事業
アジア太平洋芸術公演 チェン・ミン 二胡 LIVE 2004 月亮心
中国・上海出身の人気二胡奏者、チェン・ミン。CMなどでもおなじみの彼女の演奏は、都会の喧騒を離れ、心を癒し、オリエンタルな非日常の世界へと誘ってくれることでしょう。
2004年9月25日 17:30 9月26日 14:00 新神戸オリエンタル劇場 S席 6,500円 A席)5,000円
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
な〜る#115(2004.7.26)掲載 外からは見えない、筋金入りの人
建物の骨である「鉄筋」を組んでいるのが鉄筋工の人。図面から10mmから25mmまでの太さの鉄筋の種類と数を拾い出し、業者に発注をすることも鉄筋工の仕事。これだけの大工事になると、資材置場にも限度があるので、期間を区切って、発注→納品→工事の繰り返し。鉄筋が組み上がると、「配筋検査」に合格してようやくコンクリートを流し込むことになります。現場では図面通りにならないこともあり、そんな時にモノを言うのが永年の経験とカン。

鉄筋工18年の貴島秀明さん(35)は、「夏場は暑くて暑くて、作業効率が落ちます」と汗をぬぐいます。1日4回シャツを着替えるほど多量の汗をかくので、現場ではウォータージャグや水筒のお茶でしっかり水分補給。手洗いしたシャツが2時間もあればカラカラに乾くほどの暑さの中では、ケガや事故の安全管理とともに、熱中症予防の健康管理も大切です。「家でホッとして飲むビールの味は格別」と笑う貴島さん。
昨年4月から現場に入った躯体工事は、9月末までの予定だそうで、この現場もあと2ヶ月ほど。完成しても、鉄筋工の仕事は外からは見えない地味な作業ですが、建造物の中心を支える仕事が順調に進んで、祝杯を上げられる日も間近ですね。

開館に向けてのソフト先行事業
阪神文化ネットワーク事業 ひとり芝居「心中天網島」
近松門左衛門の最高傑作「心中天網島」を女性義太夫と関西出身の女優・城谷小夜子らの女性演者だけによる新しい“古典”の世界をお楽しみ下さい。
2004年9月18日(土)14:00 西宮市プレラホール 3,000円
| 正木京子 | 芸術文化センター10周年 | 08:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

このページの先頭へ